Category Archives: Java

テンプレートエンジン(Mayaa, Mixer2, Thymeleaf, JSF2.x)を比較してみて

これは Mayaa Advent Calendar 2015 の20日目です。昨日は「Mayaaに慣れた僕がJSF2.x Faceletsを試してみる」でした。

さて、クリスマスまであと6日です。
僕のよく行く飲食店もクリスマスモードになっています\(^o^)/

アドベントカレンダーも残すところあお6回、最後はまとめ記事になると思いますので、記事を書けるのはあと5回、名残惜しさもあります。

しかしそうこうするうちに今日があと3時間を切っていたので油断なりません。「頓挫したカレンダー」にならぬよう最後まで頑張ります!

テンプレートエンジンを比較してみて

昨日までの3回に渡って色々なテンプレートエンジンを試してみました。

ためしてみることで、それぞれの特徴がわかりました。
マトリックスにしてみるとこんな感じです。

名前 独立性 パフォーマンス デザインフレンドリー 手軽さ
Mayaa
(Servlet依存)

(Mayaaファイル作成が必要)
Mixer2
JAXB次第
Thymeleaf
Velocityより速いらしい
JSF2.0 Facelets
×

それぞれの特長

Mayaa

特長

  • デザイナーとの協業の追求については、一日の長がある
  • とにかくそれ専用として設計されているため機能が充実している
  • ドキュメントや実績が豊富

このブログのアドベントカレンダーを最初から読んでくだされば、デザイナーとの協業は心配することがないと思います。

欠点

  • Servletに依存が強い(JSPと同じレイヤーであるため、JSPの置き換えにしかならない)
  • パフォーマンスが不利であること
  • HTML5 サポートとうたえていない

    • 閉じタグ忘れなどinvalidなHTMLすら扱えるようにするために利用しているnekoHTMLパーサーがHTML5に対応していないため

HTML5問題についてはnekoHTMLをオフにして、XHTMLをテンプレートとして使用すれば他のテンプレートエンジンと同等になるため、実質的に大きく劣っているわけではありません。

他2については設計上の思想から仕方がないところです。

Mixer2

特長

  • PathAdjusterなどMayaaの影響を受けた機能を備えている
  • Mayaa同様テンプレートに制御情報を記述させない設計
  • Java標準のJAXBを利用しているため、独立性が強く
  • JUnitと親和性が強く、デザインをユニットテストできる

欠点

  • 制御情報をJavaで書かなければならないためコード量が多い
  • 同じid属性を使用するため、デザイナーとプログラマーが同時に使わなければならない

Thymeleaf

特長

  • m:idをいちいち定義せずすぐに使える
  • 依存性が低く単独でも動作する
  • Spring Bootなどに標準対応している
  • パフォーマンスが良い

欠点

  • テンプレートに制御情報の記述が必要

JSF2.x Facelets

特長

  • Java標準であること

欠点

  • 完全な意味での、プログラマー・デザイナーの協業は達成できない

どのテンプレートエンジンを使うべきか

以上を踏まえて考えると、僕は次のように思います。

Mayaaが向いているプロジェクトではMayaaを使うべき

Mayaaが向いている案件とは、

  • 一つの機能に対して、非常に頻繁にデザインの書き換えを行う
  • または、非常に沢山のバリエーションを作る
  • コンシューマー向けでデザインを重視したサイト
  • SEOが必要でサーバーサイドテンプレートエンジンが必要

詳しくは8日目も参考にしてください。

SEOが不要であれば、SPAにしてしまうことも選択肢の一つ

SEOが不要であれば、サーバーサイドはJSONだけを吐き出せば良く、フロント側はBackbone.jsやAngularJS、React.jsを使うという作戦も検討の余地があります。

CRUDを作るとき、AngularJSは非常に手っ取り早いです。Angularではjsファイルを使いまわして、HTMLファイルを複数作るなんてことも出来ます。

コンシューマー向けではない場合は、JSF / Thymeleaf が選択候補に上がる

フレームワークに何を使うかで判断が分かれると思います。
Java EEの時はJSF, Springの時はThymeleafが良いと思います。

デザイン重視ではあるが、多くのバリエーションを作成しない場合は、Thymeleafが有力

デザインのバリエーションを並立する場合、制御情報のコピペが発生してしまうことが懸念点であるので、Thymeleafはデメリットが出てきますが、変更であれば、その問題がありません。

費用対効果を考えた上で、デザイナーを自立させるよりも、プログラマーとデザイナーが都度協力したほうが良い判断であれば、MayaaよりもThymeleafの方が向いています。

デザインをJUnitでテストしたい時は、Mixer2しかない

現状、ユニットテスト可能な唯一のテンプレートエンジンがMixer2です。
そのため、むしろ、機能の変更が頻繁に発生するときに威力を発揮するかもしれません。
機能の変更に対するデザインへのリグレッションテストが自動でできるのはMixer2だけです。

まとめ

このように、それぞれのテンプレートエンジンは、ターゲットとしている問題が微妙に違っていて、それぞれのニーズがあるかぎり、どれかがどれかを排除してしまうことはないものです。

プロジェクトを開始する際にどのテンプレートエンジンを使えばよいか、そのプロジェクトの性格から判断するべきです。

その時、この記事が参考になれば、幸いです。

Mayaaに慣れた僕がJSF2.x Faceletsを試してみる

これは Mayaa Advent Calendar 2015 の19日目です。昨日は「Mayaaに慣れた僕がThymeleafを試してみる」でした。

さて、一昨日、昨日と、MayaaのライバルとみなされるJava HTMLテンプレート、Mixer2とThymeleafを試してみました。思えば2年前、JJUGのLT大会で、テンプレートエンジンネタでぶつけてきたときを思い出します。

1 yusuke テンプレートエンジンを制する者が世界を制す
2 nabedge 進撃のMixer2 – 立体機動テンプレートエンジン
3 eiryu Thymeleafでハマったこと
4 susumuis from JSP to Design-friendly Template Endine / JSPからMayaaに移行した本当の話
5 smilelx_xl(+susumuis) テンプレートエンジンを利用したプログラマーとデザイナーの共同開発で大切なこと(仮)
:
:

実際にためしてみると、あながち競合する技術ではないのかなと印象を持ちました。

そういえば、忘れてました!Java EE本家、JSFのFacelets書式はXHTML形式なので、これも、検討対象となりそうです。今日はこれで、デザインーとの協業が可能か、いしがみメソッドは適用可能かを、見てみたいと思います。

Java EEといったら、NetBeans

僕は普段、Eclipseを使い、Androidの時はAndroid Studioを使いますが、Java EEの時はNetBeansを使います。

詳しくは、Introduction to JavaServer Faces 2.x というドキュメントが分かりやすいです。今回はもっとシンプルに作ってみます。

Hello World

NetBeansで[新規プロジェクト] - [Java Web]を選び、フレームワークに「JavaSever Faces」を選んで、ライブラリにJSF2.2を選べば雛形が作られます。

WEB-INF/index.xhtmlを次のように作成します。

<?xml version='1.0' encoding='UTF-8' ?>
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"
      xmlns:h="http://xmlns.jcp.org/jsf/html">
    <h:head>
        <title>Facelet Title</title>
    </h:head>
    <h:body>
        <h:outputText value="#{helloBean.hello}"/>
    </h:body>
</html>

タグ名にh:が付いている時点で、Mayaa、Mixer2、Thymeleafとは毛色が違います。

デザインエディットするときはサーバーを立ち上げるか、開発環境のエディタを使う必要があります。デザイナーが作成したHTMLを元にプログラマーが埋め込む方式であれば、いいかもしれません。

ループはどうするか?

ループするときはこんな感じになります。

例えばこんな感じのItemクラスを作って

public class Item {    
    private String name;
    public Item(String name) {
        this.name = name;
    }
    public String getName() {
        return name;
    }
}

管理ビーンのプロパティにリストとして登録してみます。

@Named(value = "helloBean")
@Dependent
public class HelloBean {
    private String hello = "Hello World";
    private List<Item> list = new ArrayList<>();

    public HelloBean() {
        list.add(new Item("りんご"));
        list.add(new Item("ばなな"));
        list.add(new Item("みかん"));
    }

    public String getHello() {
        return hello;
    }    
    public List<Item> getList() {
        return list;
    }
}

テンプレートは

<?xml version='1.0' encoding='UTF-8' ?>
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"
      xmlns:h="http://xmlns.jcp.org/jsf/html"
      xmlns:ui="http://xmlns.jcp.org/jsf/facelets">
    <h:head>
        <title>Facelet Title</title>
    </h:head>
    <h:body>
        <h1>sample</h1>
        <h:outputText value="#{helloBean.hello}"/>
        <ui:repeat var="row" value="#{helloBean.list}">
            <div><h:outputText value="#{row.name}"/></div>
        </ui:repeat>
    </h:body>
</html>

結果

<?xml version='1.0' encoding='UTF-8' ?>
<!DOCTYPE html>
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><head id="j_idt2">
        <title>Facelet Title</title></head><body>
        <h1>sample</h1>Hello World
            <div>りんご</div>
            <div>ばなな</div>
            <div>みかん</div></body>
</html>

ふむふむ。大体分かってきました。
JSFは基本的にはPrimeFacesを使ったコンポーネント指向の開発しかできないイメージでしたが、テンプレート主体の開発もできそうです。

いしがみメソッド検証

JSFをテンプレート主義で使った想定で検証してみます。

m:id含め、プログラム都合の識別子は常に大文字を使う

Mayaaで言うところのm:id、Thymeleafに言うところのth:ifなどの独自属性は、JSFでは独自タグになります。

m:idのする仕事を4種類に限定する

-出力: h:outputText
-分岐: c:if
-繰り返し: ui-repeat
-属性: pt:属性名

4種類の実装方法はルールに従う

このルールに対応するとしたら、「使うタグはある程度限定する」といったところになると思います。

h:inputTextのようなコンポーネントは便利ですが、どこまで使うかはプロジェクトごとのポリシーとして、決めてから使うのが良いと思います。

LOOP系のm:idはindexには長い名前を使い、maxを十分に

ui:repeatに変数名を取れるので、ここではiとかjとかは使わず適度な長さの名前をつければ良いと思います。

Mayaaで長い名前をつけるべきとしたのは、名前がMayaaファイル内に隠蔽されているためなので、Thymeleaf同様、表に出てくる場合はそれほど神経質になる必要はありません。

writeプロセッサーでエスケープを解除するときは全部する

エスケープしないテキストは escape="false" という属性をつけるだけです。

tableタグだけは特別に扱う

uiなどの独自タグが使えるので、Mayaa、Mixer2のようなHTMLにこだわったテンプレートエンジンほどここは問題にならないと思います。

m:idをパラメータ対応にする

Thymeleafと同様、式を直接書けてしまうので、m:idを減らすためのパラメータという要求は発生しないと思います。

PathAdjusterを効果的に使う

"/"で始まっていないパスは相対パスと想定されて動作するようです。その時の調整ロジックをフックできるかについては、すみません、よくわかりませんでした。

ヘッダー・フッター・共通部品はiframeタグをうまく使う

直接テンプレートを開くことはあまり得意ではなさそうなので、これは諦めるしかなさそうです。

テンプレート上のコメントは、ソース表示時に見えないようにする

<ui:remove> </ui:remove>
を使うのが良いそうです。

単語はなるべくテンプレート側に書く

これはできそうです。

nekoHTMLパーサーをいじる

もちろん、そんな必要はありません。

まとめ

JSFというと、結構複雑なコンポーネント指向の仕組みだと思いましたが、テンプレート指向でもけっこう行けることがわかりました。

プロジェクト内で、使うタグのルールを定めることで、デザイナーとの連携も可能かもしれません。

Mayaaに慣れた僕がThymeleafを試してみる

これは Mayaa Advent Calendar 2015 の18日目です。昨日は「Mayaaに慣れた僕がMixer2を試してみる」でした。

毎日ブログを書き続けて18日目です。

始めの頃は辛かったですが、今では一つの記事を1,2時間で書けるようになりました。書き溜めすれば良いのではないかと思われるかもしれませんが、案外、書き溜めはできないもので、毎日ネタを考えて書いています。

Mayaaアドベントカレンダーはまだ参加者を募集しています!

さて、テンプレートエンジン特集第2回はThymeleafです

前回のMixer2は、Mayaaと似たようなエンジンだろうと思って触ってみると、大分正確が異なる印象でした。

Mayaaよりも原始的な「テンプレートエンジン」として特化していて、Mixer2と比較するとMayaaは「ビューフレームワーク」と読んだほうが良いかもしれないと思いました。

さて、今日は海外でも人気があるThymeleafを試してみます。

Thymeleafとは

Thymeleaf is a Java library. It is a template engine capable of processing and generating HTML, XML, JavaScript, CSS and text, and can work both in web and non-web environments. It is better suited for serving the view layer of web applications, but it can process files in many formats, even in offline environments.
(引用:公式サイト)

Thymeleafは、
* Javaライブラリ
* テンプレートエンジン
* HTML, XML, JavaScript, CSS, Textを生成・処理できる
* Webだけでなく、Web以外でも動く
* Webアプリケーションのビューレイヤーとして提供するのに適している
* 様々なフォーマットのファイルを扱うことができ、オフライン環境のファイルすらも扱うことができる

という特徴をもったライブラリです。

日本語訳されたチュートリアルもあります。

テンプレートをXHTMLで書くという点がMayaaと共通しています。Mayaaと異なる点は、mayaaファイルというような独自の定義ファイルは存在せず、また、Mixer2のようにJava側でXMLツリーを操作するわけでもありません。

代わりに

<p th:text="#{home.welcome}">Welcome to our grocery store!</p>

のように書くようです。mayaaファイルの内容をそのままテンプレートに書いてしまったような感じです。

さっそく、HelloWorldしてみましょう。

HelloWorldしてみる

Thymeleafはリリース版の2.x系と、Beta版の3.x系があります。ここでは2を使いましょう。

ダウンロードはここからできます。Mavenと単体配布の両方があるようです。

また、SpringBootを使うならSTSのウィザードから最初に選べたりします!

今回は単体でダウンロードしました。

まず、チュートリアルに従って、アプリケーションクラスを作ってみます。Mixer2と同じでエンジンのシングルトン化をします。

public class HelloApplication {
    private static TemplateEngine templateEngine;
    static {
        initializeTemplateEngine();
    }
    public static TemplateEngine getTemplateEngine() {
        return templateEngine;
    }
    private static void initializeTemplateEngine() {

        ServletContextTemplateResolver templateResolver = 
            new ServletContextTemplateResolver();
        // XHTML is the default mode, but we set it anyway for better understanding of code
        templateResolver.setTemplateMode("XHTML");
        // This will convert "home" to "/WEB-INF/templates/home.html"
        templateResolver.setPrefix("/WEB-INF/templates/");
        templateResolver.setSuffix(".html");
        // Template cache TTL=1h. If not set, entries would be cached until expelled by LRU
        templateResolver.setCacheTTLMs(3600000L);

        templateEngine = new TemplateEngine();
        templateEngine.setTemplateResolver(templateResolver);

    }   
}

テンプレートを /WEB-INF/templates/hello.html として作成します

<!DOCTYPE html>
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xmlns:th="http://www.thymeleaf.org">
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8" />
<title th:text="${title}">たいとる</title>
</head>
<body>
<span th:text="${message}">ハローワールド</span>
</body>
</html>

Servletを書いてみます

@WebServlet("/hello")
public class HelloServlet extends HttpServlet {
    private static final long serialVersionUID = 1L;

    protected void doGet(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws ServletException, IOException {
        TemplateEngine templateEngine = HelloApplication.getTemplateEngine();
        WebContext ctx = new WebContext(request, response, getServletContext(), request.getLocale());
        ctx.setVariable("title", "タイトルThymeleaf");
        ctx.setVariable("message", "こんにちはタイムリーフ!");
        response.setCharacterEncoding("UTF-8");
        response.setContentType("text/html");
        templateEngine.process("hello", ctx, response.getWriter());
    }
}

結果

こんにちはタイムリーフ!

結果ソース

<!DOCTYPE html>

<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8" />
<title>タイトルThymeleaf</title>
</head>
<body>
<span>こんにちはタイムリーフ!</span>
</body>
</html>

引き続き、いしがみメソッドの確認を行いましょう。

m:id含め、プログラム都合の識別子は常に大文字を使う

m:idのような識別子ではなく、直接テンプレートに変数を埋め込んでいきます。
例えば、上記例でのmessageなどの変数を大文字にすることはできるかもしれません。

ただ、そうすると、オブジェクトのプロパティを全部大文字にしなければならなくなるので適切な方法ではないでしょう。

もっとも、使う属性が"th:"から始まる独自のものなので、デザイナーと名前空間がぶつかることはありません。

m:idのする仕事を4種類に限定する

Thymeleafが提供している制御方法は次のものがあります。

  • th:text
  • th:each
  • th:if, th:unless
  • th:attr
  • etc, ...

概ね必要なものはそろっています。デザイナーが属性名でどんな動きをするのか理解する必要がありますが、うまく伝達できれば問題なさそうです。

ただ、これら、自由な式が書けてしまうので、m:idのように一覧化できず、デザイナーは何を書いたら良いのか迷うと思われます。

事前に何を出すにはどうしたらよいかの手引書を共有するか、デザイナーに、ある程度の制御書式とデータ構造を教育する必要があります。

LOOP系のm:idはindexには長い名前を使い、maxを十分に大きな値を設定する

あまり問題にならないでしょう。

writeプロセッサーでエスケープを解除するときは全部する

エスケープしないテキストは th:utext で出力します。

tableタグだけは特別に扱う

m:idのような識別子を必要としないため、都度適切な属性を書けば良さそうなので、ここはThymeleafでは問題にならなそうです。

m:idをパラメータ対応にする

式を直接書けてしまうので、もはや、パラメータという概念がなさそうです。ただ、メソッドをコールするといった複雑なことはできなそうなので、案外むずかしいかもしれません。

PathAdjusterを効果的に使う

Thymeleafではth:href属性によって、パスを制御します。相対パスはIWebContextに格納したオブジェクトから取得してくるようですが、MayaaやMixer2ほど柔軟で自動的な制御はしてくれないようです。

ヘッダー・フッター・共通部品はiframeタグをうまく使う

「テンプレートフラグメント」という仕組みを使います。
th:fragment, th:includeなどを使います。

テンプレート側は、Mayaaのときと同じようにiframeで制御しても良いかもしれませんが、これも、自動的にうまいことやってもらうというより、自分でローカル用と、サーバー用の出力を両方書くようなスタイルになるのでしょう。

テンプレート上のコメントは、ソース表示時に見えないようにする

Thymeleafでは

<!--/*
*/-->

という書式を使うようです。

単語はなるべくテンプレート側に書く

これはできそうです。

また、多言語化やメッセージの書き換えの仕組みとして、th:text="#{キー}"という構文でメッセージを多言語・テーブル化することができます。

Thymeleafではある程度テンプレートにロジックが入ってしまいますので、メッセージのテーブルを活用してテンプレートはあまりバリエーションを作らないのが良いスタイルかもしれません。

nekoHTMLパーサーをいじる

HTML5対応しているので、そんな必要はありません。

まとめ

Thymeleafは、テンプレートとmayaaファイルのように、表示と制御を完全に分離することなく、テンプレートにある程度の制御情報を残すことを許すことで、非常にシンプルで実用的な設計になっている印象を受けました。

デザイナーが直接テンプレートを触ることはないが、かといって、テンプレートにロジックをゴリゴリ書きたくないといったとき、妥当な選択肢だと思います。

デザイナーがある程度システムのわかる人間の場合は、ブラックボックス部分が少ないことがかえって円滑に連携できるかもしれません。

とはいえ、テンプレートの編集にかなりのシステムの知識が要求されてくるので、「デザイナーが自由にテンプレートをいじる」という世界には向かないようです。